LoRaWANでの送信チャネルが変化する様子を観測しました
LoRaWANで使用されるチャネル
一般社団法人電波産業会ARIBの標準規格「ARIB STD-T108:920MHz帯テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備」によると、LoRaWANで使用する周波数では、表1に示す15のチャネルが利用されるようです。チャネル幅200KHzの中に帯域幅125KHzのLoRa信号が入るように送信されるとのことです(以下のURL1、2、3参照)。また、チャネルの選択は無作為にされるようです。この様子をSDRを使用して観測してみました。
SDRによる観測
観測はDraginoのLoRaWAN端末LHT65Nを使用し、リードスイッチのON、OFFに応じたスイッチ状態をアップリンクさせる送信を行いました(写真1)。SDRはRTL-SDRとPCソフトのSDR#を使用しました(写真2)。SDR#の設定では、表1のいくつかのチャネルが含まれるように受信周波数範囲を設定し、ウオーターフォール表示ができるようにしました。
観測波形
画面1は単発のLoRaWAN送信波形を捉えたものです。リードスイッチを操作後に波形が出現しますが、一回の送信時間は0.4秒までであるため、スクリーンキャプチャするタイミングが非常に難しいです。何とか捉えた波形では200KHzの帯域幅にほぼ収まっている様子が確認できます。波形が中心周波数923.4MHzから20~30KHz高い方にずれているのはSDRの水晶発振の精度が低いためかもしれません(RTL-SDRでは温度補償されていない水晶を使っており数十ppmの誤差あり)。
画面2は送信時のチャネル選択の様子が記録に残るようにウオーターフォール表示にした画面です。ウオーターフォールは上から下に時間とともに流れていき、下に消えるまでの間しばらくの間出現波形が見えるようになっています。少し分かりにくいですが赤い横線で表示されるものが出現波形です。横軸が周波数(チャネル)、縦軸が時間です。 リードスイッチのON、OFFを繰り返すとその度に送信が発生し、 ①~⑦ の順に波形が出現します。これから出現するチャネルが変化している様子が分かります。