LoRaWANゲートウェイ向けソーラーパネル付き蓄電池の状態推移を見る
この度、当社もグループの一員である ELSPINA グループで、ZeroCarbon 街路灯網 ®️を販売する運びとなりました。
端的に言えば、ソーラーパネル&蓄電池&LED ライト&LoRaWAN ゲートウェイを搭載した、電力完全自立型の通信機能付き街路灯でございます。
販売に先立ち、昨年 7 月から試験的に実機を運用しております。今回は、試験運用中のデータを使って、搭載している蓄電池の状態推移と日照量について、考察してみたいと思います。
1. ZeroCarbon 街路灯網 ®️ の特長
まずは、営業をかねてZeroCarbon 街路灯網 ®️ の特長を紹介します。
2. 毎日点灯する LED 街灯
3. IoT 基地局機能で環境モニタリング
通常、電源を外部から取得する街路灯の設置には電気工事が発生しますが、こちらのZeroCarbon街路灯は自立した電源を用いるため、電気工事なしで設置可能です。また、LoRaWANゲートウェイ搭載モデルを利用すれば、遠隔のセンサで取得した温湿度や河川水位などのデータを収集することができます。
2. ZeroCarbon 街路灯網 ®️ が搭載するソーラーパネルと蓄電池
詳しくはこちらのスペックをご覧いただければと思いますが、LoRaWAN ゲートウェイの電力源に1枚のソーラーパネルと蓄電池パックを搭載しています。これは、必須機能である LED 照明の電力源とは独立しています。
- 蓄電池: リン酸鉄リチウムイオン電池 264Wh
試験運用では、電源の状態を監視すべく、オリジナルの LoRaWAN ノードを製作し、この蓄電池の状態(電圧値など)を 1 時間ごとに把握するようにしました。LoRaWAN サーバとして、当ブログではお馴染みのThe Things Network Community Edtionを使っています。
さらに、熱中症対策などにも役立てたいと考え、敷地内にLoRaWAN 対応 屋外温湿度センサーノード Dragino 社製 LSN50v2-S31Bを設置し、温湿度を監視し続けています。
収集したデータはDatacakeを使ってダッシュボードにしています(リンク)。
試験設置以降、周辺地域で停電が発生したこともありましたが、(当然ですが)影響なくLED 街灯、LoRaWAN ゲートウェイともに稼働し続けています。
3. 可視化 by Tableau Public
しかし、天候不良が続くと、充電が追いつかず、電力がひたすら消費され続けることがあるようです(下図、赤で示した部分)。
そこで、電圧レベルの推移と、日々の日照量の関係を確認してみます。
日照量は、気象庁サイトより、群馬県前橋市の観測地をダウンロードして利用します。
可視化は、以前のブログでも利用したTableauを利用します(リンク)。
4. 考察
以下は昨年 7 月から 今年 1 月のデータです。上段が電池電圧レベル(%)の推移、下段が日照量の推移です。
このグラフは期間が長いので少しわかりにくいですが、下段の赤線が下がると、それに伴い上段の青線が下がっていく傾向があります。つまり、日照量が少ないとソーラー発電できず蓄電池は使われつづけ、電圧レベルが下がっていく様子が確認できます。
さらによく見ると、グラフ中央に薄くリファレンスバンドを描いた部分(10 月初旬)では、電力が枯渇する寸前だったようです。
リファレンスバンド部分をドリルダウンしてみると状況がよくわかります。3 日間連続で日照量が少なく、ソーラーパネルの発電量が足りず、日中充電できなかったようです。これにより、30%まで蓄電池の電圧レベルが下がっていました。
試験運用では、貴重なデータが取得できました。今後の販売・製品開発に役立てたいと考えています。
宣伝
本日から 2 月 3 日まで東京ビックサイトで開催している防災産業展 2023のとあるブースで、ZeroCarbon 街路灯網 ®️のリーフレットを配布しております。ご興味ある方は、ぜひ探しに行ってみてください。
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