TTS Community Edtion (TTN V3) と TTS Open Sourceの違い
LoRaWANがものすごい勢いで、かつ世界規模で広がりを見せておりますが、コミュニティ The Things Networkが果たしている役割は計り知れないです。この TTN では、LoRaWAN サーバが無償提供され、誰でも自由に使うことができます。
ご存知の方も多いと思いますが、これまで多くの人に愛されてきた TTN V2 は 2021 年を持ってサービス停止されます。V2 は、オープンソースである The Things Stack をベースとしたTTN V3 (TTS Community Edtion)へ完全移行されます。すでに、TTN V3 をご活用の人も多いと思います。
今回は、TTN V3 とオープンソース TTS を自前で構築した場合の違いについて、(非常に薄く)2 点だけご紹介したいと思います。
1. 違い その 1 ~ ヘッダーの見栄え
非常にわかりやすいところで、画面ヘッダー部分の見栄えです。
1.1 TTN V3
オープンコミュニティ The Things Network のロゴと、システムの母艦となっている TTS のロゴが見られます。 主には、オランダ TTI 社の運営により成り立っているものの、あくまでもコミュニティ活動の一環という位置づけと見てとれます。
1.2 TTS Open Source
オープンソースの TTS は、自前サーバにインストールし利用することも可能です。この場合は、ロゴ部分に Open Source である旨の表記がなされます。
見栄え上、実はほぼこれしか違いがありません。
2. 違い その 2 ~ NetID
次は、ちょっとマニアックです。
様々な組織・団体によって運営される LoRaWAN ネットワーク間を滞りなくローミングするためなどを目的として、LoRaWAN ネットワークを識別するために NetID というものがあります。これは、LoRa Allience によって管理されており、各事業者に割り当てられます (要するに、IATA の 3 レターコードみたいなものでしょうか?!)。
TTN アンバサダー Japan 吉田さんのブログでも詳しく紹介されております。
TTN の NetID = 13 です。
なお、ここを見ると、日本企業と推察される団体も登録されています。
では、これが実際の通信データとしてどのように見られるか?ということですが、毎度の通信パケットに NetID を見つけることができます。
2.1 TTN V3 の場合
コンソール画面で、デバイスの Uplink データを眺めてみてください。こんな部分が見つかるはずです。
確かに、13 ですね。
2.2 TTN Open Source (勝手に自前運営)
自前運営の場合はどうなるか?とみてみると、0 ですね。
確かに、先ほどのリンク先を見ても、プライベートの場合は 0 となることがわかります。
オープンでありつつ、相互運用性を担保する仕組みになっているわけです。
改めて、LoRaWAN プラットフォームについて素晴らしいなぁと思います。