LoRaWANレンズを通して感じる世界と日本
新型コロナウィルス(COVID-19)の影響により、まだまだ世界へ自由に旅する(肌で感じる)ことができません。なので、今回は、Google トレンドを使って、机上で、そして”数字”で、世界と日本を感じてみたいと思います。
1. 主要キーワードの検索トレンド
まず初めに、Google トレンドを使って、主要キーワードの検索傾向をみてみます。
対象としたキーワードは、LPWA、LoRaWAN、Sigfox、NB-IoT の 4 つです。LPWA なのか、LPWAN なのか、LPWA Network なのか迷いましたが、実際に調べたところ、おしなべて LPWA が一番高い値を示していたので、今回は LPWA を採用しました。
LPWA 分野では様々な規格・仕様がありますが、概ね、この 3 つが多くの調査レポートで比較されるものであるため、この 3 つに絞りました。
2015 年から執筆時点の、全ての国におけるトレンドグラフです。
2015 年から 2017 年あたりまではフランス発 Sigfox がダントツでした。2016 年あたりから現在まで、比較的勢いがあるのがLoRaWANです。近年は、Sigfox を抜いて LoRaWAN がダントツになっています。
一方で、日本に対象を絞るとこんな具合です。
LPWA が、ほぼほぼどのタイミングでも一番です。一つの推察としては、日本では、個別の規格・仕様の分野の比較をして導入を考えるというよりは、その手前の段階にあるのだろうということです。IoT や LPWA という分野では、何が行われているのか?どんな技術があるのか?そんな段階なのかもしれません。
また、Sigfox がどの期間でも 3 つの競合間ではトップですが、直近で LoRaWAN が追い抜いています。この勢いが増すのかどうか?非常に気になります。
この二つのグラフの差異だけですが、なんとなく、日本マーケットの状況が、諸外国と比べて少しフェーズが前段階にあるのかなぁと推察してしまいます。
2. 各国におけるトップワードの差異
次に、こんなグラフです。
各国で、この 4 つのワードのうち、どのワードが一番検索されているか?というものです。
全体的には赤色が目立っています。赤色は LoRaWAN です。様々なレポートで見る数字と感覚は一致します。つまり、世界的な規模では、LPWA の分野では LoRaWAN ということと理解しています。
LoRaWAN 以外では、欧州と中米・南米で黄色(Sigfox)がトップのようです。緑色(4G 携帯網をベースとした NB-IoT)は、中国、韓国、ベラルーシでトップです。
そして、なんと、日本だけが青色(LPWA)がトップ です。
この簡単なトレンド調査をしていて、この部分が一番驚きでした。 日本だけ時空のねじれに入り込んでしまったのでしょうか?あるいは、文化の違いなのでしょうか?この違いについては、様々な分野の方々から意見をお聞きしたいと思いました。
3. おまけ: LoRaWAN と一緒に検索されているものは
LoRaWAN と関連するキーワードは、当たり前ですが LoRa とか IoT が上位に来るようです。 そして、これまたすごいのが、トップ 25 の中に、The Things Netoworkが入っていることです。
The Things Network(オープンコミュニティ)が、LoRaWAN の世界、ひいては LPWA の世界に多大なる影響を及ぼしていることを感じざるを得ません。