第75回日本リモートセンシング学会参加報告
日本リモートセンシング学会は、リモートセンシングに関する研究や技術の連携・発展を推進することを目的として1981年に設立されました。 分野は気象・海洋・生態・地理・測量・地質・防災・資源調査・農林・水産・土木・建築・計測・機械・宇宙開発・行政など多岐にわたります。特に近年は、衛星データやドローンの普及から注目されている分野です。現在は春季と秋季の年二回学術講演会が開催されています。衛星事業に取り組んでいる弊社としても、情報収集のために参加しました。
参加者
大学を中心に、企業や研究所なども参加していました。
大学
北は青森から、西は山口まで全国から数多くの大学が参加していました。一例ですが、下記の大学から参加がありました。
東北大・筑波大・茨城大・千葉大・東京大・東工大・日本大・名古屋大・広島大
研究所
JAXAを筆頭に、AIST・NICT・JAMSTECなどの国立研究開発法人、また一般財団法人のRESTECも参加していました。
企業
ブース出展している企業もあり、下記の会社が参加していました。
英弘精機・ビジョンテック・J-spacesystems・NG5 Geospatial・ケイブルアイ・パスコ・ダイヤモンドサービス・ジェピコ
タイムテーブル
こちらがタイムテーブルになります。会場は2つで、口頭発表(陸域・水域・雪氷)がメインでした。その他には、ポスターセッション・企業ブース・特別セッション(ハンズオン)などがありました。
プレゼンテーション
リモートセンシングを使ったたくさんの発表がありました。全体的な概要をまとめます。
衛星
・Sentinel-1,2
・LandSat
・ALOS-2/PALSAR-2
・Himawari
・GCOM-C
やはりパブリックデータで広く研究に使われているSentinelとLandSatが主流でした。特にSentinelは光学センサもSARセンサも非常に使われていました。一方で、日本の学会ということもありJAXAのALOSデータや、気象衛星のHimawariなどの研究が見られたのは新鮮でした。
手法
・InSAR
・ハイパースペクトル分析
・ニューラルネットワーク
現在の主流解析手法である機械学習はもちろんですが、干渉SAR(InSAR)による測量・災害予測の研究やハイパースペクトルセンサを用いた新しい研究なども多く見られました。
まとめ
本講演では、衛星データだけでなく、ドローンなどのUAVデータを用いた研究も見られ、また様々な分野の発表を聴くことで知見が広がりました。今回得られた情報の中には今後の研究に役立ちそうなものもあったので、積極的に利用していきたいです。例えば、ISSで現在運用中のハイパースペクトルセンサHISUIは誰でも自由にアクセスすることができ、今後の応用用途を考えると研究価値が高いと考えています。私自身、国内の学会参加は久しぶりでしたが、参加コストが低く済むので、今後も有益な会合があれば積極的に参加していきたいです。