インターンシップ報告
2022年10月から11月にかけて、開志専門職大学より企業内実習として、2名の学生にお越し頂きました。約1ヶ月間の実習期間を通して、弊社で扱うLoRaWAN製品やサービスを学んで頂き、実際に手を動かしてアプリケーション開発まで体験頂きました。さらに先日のEdgeTech+ 2022では設営準備を手伝って頂き、展示会当日は説明員として活躍頂きました。
今回は、実習の振り返りをブログにまとめて頂きましたので、紹介します。
実習の全体
開志専門職大学情報学部2年のO.Cと申します。10月17日から11月18日までの5週間、対面とオンラインのハイブリッド形式で臨地実務実習生2名を受け入れていただきました。
実習のテーマはLoRaWANにかかる技術の理解と展示会での説明、そして用途開発の検討です。LoRaWANとは長距離・低消費電力を特徴に持つ、広域のセンサネットワークを低コストで構築できる技術です。 対面形式の実習では、LoRaWANのわかりやすい説明資料を作成し(図1参照)、最終週に参加したEdge Tech+2022展示会にて資料を用いて説明員として訪問されたお客様に説明しました。
オンライン実習の間は本学大学校舎(鉄筋7階建)を実験台とし、垂直方向の電波強度の計測を行いました。計測はrssi(Received Signal Strength Indicator)の値を測定し、これは値が大きいほど強度が強いことを示しています。
具体的には、6階の部屋にLoRaWANゲートウェイを置き、最も遠い1階の壁際でrssiの値-97, -98を観測し建物全体に十分な強度で届くことを確認しました(図2参照)。
また、展示会で設置された展示ボードへの大学設備(Kaishi-Lab)を活用した、製品名やQRコードのレーザ彫刻を実施しました。
アプリ制作
筆者の個人テーマは、照度センサーを使った室内環境を可視化するアプリの制作としました。主な関心事項である、ビニールハウス内の果樹栽培の環境最適制御と、年単位の長期データの収集の両立を労力・電力を抑えた低コストで実装する具体策の立案が目的です。しかし、実習期間では時間や作業環境の確保が難しいため、まずは大学内居室を実験環境としてシュミレーションレベルでアプリの作成に取り組みました。
このアプリの制作は既存のプラットフォーム、Datacakeを利用するものとNodejsを利用する2通りで取り組みました。
(1)DatacakeとはLoRaWANネットワークサーバであるTTS(The Things Stack)との連携が既に用意されているIoTプラットフォームです。この方法では部屋の位置と得られたセンサ値との対応関係、データの推移を可視化できました(図4参照)。
(2)サーバサイドのJavaScript実行エンジンであるNodejsを使用する方法では、JavaScriptでのHTTP POST送受信と、表示のためのHTMLを生成するコード作成の実施までが着地点でした。大学でJavaScriptプログラミングの実習は行いましたが、実際に活用する場面となると十分理解できていないことがわかり、自分の知識や技術の不足を他者とのコミュニケーションで補う必要性を痛感しました。
最後に
実習全体で、資料作成や説明員を通してアウトプットすることで自分の中での理解が進むことを実感しました。今後の学習において、インプット以上に言葉や制作などで何かしらの理解した形を残すべきという知見を得ました。
長期にわたっての実務に近い作業でのご指導と経験を与えていただき、とりわけ、展示会の参加で多くの人と対話することは大変貴重な時間になりました。5週間大変お世話になり、ありがとうございました。