小さなIT系会社のSaaS活用
ファッション業界の”今年の色”的な匂いを感じる IT 業界バズワード。
昨今は、AI とか IoT なんて言葉が踊っています。その中に、DX なんてのもあります。広告媒体などでよく耳・目にするワードではないでしょうか?
DX とは、Digital Transformation の略です。わかりにくいですね。
当社も、はしくれの IT 系企業であり、その背景・意義・必要性などについて、時々お話する機会があります。
そんなことを偉そうに言っている側として、”じゃ、お前自身はどうなんだよ!”という問いかけを、うすうす感じているので、折角なので自らについてさらけ出したいと思います。
小さな会社の SaaS 活用という観点で参考になればと思います。(逆に、中規模以上は、別の絵姿になるということも理解しているという前提で)
当社の基本ポリシーに、”管理を極力しない”というものがありま。 “大人”であり、”プロフェッショナル”が働いている場であるため、基本的な行動原則をすり合わせた上で、管理は極力しません。これにより、余計な仕事を増やさないようにしています。
とはいえ、会社として最低限やらなければいけないことがあります。小さいとはいえ、チリツモですので、いかに効率よく・滞りなく事業が回るかを考えながら、ツールを導入しております。
その一例(全部かも)をご紹介します。
1. 基本的なやつ(昔風に言うとグループウェア?)
1.1 超基本
やはり、仕事を進めていく上で、メールとスケジューラ(カレンダ)は必須のアイテムと思います。 昔風に言うと、グループウェアとか言う分野でしょうか。
主要プレイヤーの SaaS としては、
くらいが思いつきます。と言うか、今では、「前者2強+その他」なのかもしれません。
当社設立時の世の中的な状況から、今も、Google Workspace を使っています。一番安いプラン。 ぶっちゃけた話、組織が大きくなってきた場合、もしかしたら Google では物足りないかもしれません。 Google はコンシュマーユースがベースの考え方なのか、企業として使うと言う意味では、多少の不安・不便を感じる部分もなくはないです。
ただ、COVID-19 による世の中の動向変化に対応して、Google は、各種サービスをいい具合に統合しつつあります。 ここは評価したいところです。
当社としては、この分野において、Google にこだわりがあるわけでもありません。
1.2 CHAT
この時代なので、チャットツールはフルに活用すべきです。基本的には、長くて重要なことはメールで、あとはチャットでやっています。社外のクライアントも、先方が利用できる場合はだいたいチャットでやりとりします。クライアント次第で使っているチャットツールが異なりますので、メジャーなものはすぐに使える状態にしています。
- Slack
- Google Chat
- MS Teams
- Skype
そして、プライベートも混じった会話になると
- FB messanger
- Telegram
- LINE
などなど、いろいろあります。
2. ストレージ系
2.1 選択肢
次にストレージです。昔風に言うと”ファイル共有サーバ”でしょうか。
これは、相当に選択肢があります。分類学としては以下の通りでしょうか。
- 自前の NAS(Network Attached Storage)
- クラウドストレージ SaaS(DropBox, Box が代表格)
- グループウェアに含まれるやつ(Google Drive, OneDrive)
- OSS を使った自前のクラウドストレージサーバ
当社は、3つ目と 4つ目を活用しています。
会社としては、Google Drive、OneDrive の両方が使える状態ですが、メインは Google Drive です。
2.2 自前クラウドストレージサーバ
データの種類、外部への共有の方法次第では、さすがに外部 SaaS だけを使うわけにはいきません。 例えば、
- データの管理を完全に自前化したい(他人に任せたくない)
- データや物理ストレージのポータビリティ性を維持しておきたい
- データを外部の方に、簡単に・セキュアに共有できる仕組みが欲しい
なんて希望・要望があるように思います。
当社もこの点を考慮し、オンプレミスサーバにクラウドストレージ OSS の雄
を入れて使っています。
2.3 おまけ
レンタルサーバサービスを展開するXserver社をご存知でしょうか?
Xserver 社が COVID-19 後に本格的に展開し始めたクラウドストレージサービスとしてXDriveがあります。
この XDrive は、おそらく OwnCloud か NextCloud がベースになっています。
事業規模、使い方次第では、XDrive もおすすめです。
3. バックオフィス系
バックオフィス、一言で言ってもいろいろあります。人事(採用・育成)、経理・会計、法務などなど。 これらの業務の中で、IT が支えられる部分は多々あるわけです。
が、当社は小さな会社です。業務量や種類から考えて、必要最低限に、とはいえ基本はデジタルで物事が滞りなく進むようにしております。
3.1 見積&請求&入金管理
請求業務と言っても、境界線をどこに引くか?で、使うソリューションが違うと思います。
当初MISOCAを使っていました。当時は、”書類系を Web アプリで作るだけ”と言う色合いが強く、あまりメリットを感じていませんでした。
現在は、boardを活用しています。提供している機能・その業務の境界線が、非常に具合がいいのです。何がいいって、そのキャッチフレーズが、いいのです!!!
会計 SaaS とのインタフェースもありますが、そこまでガッツリな連携ではないはずです。 また、そこが良いですね。
基本的なビジネス状況は、board 上で把握が可能です。
- 引き合いは、今どのくらい?
- 受注したものは、今どんな状況?いつまでに納品?
- 請求のし忘れはない?
- 入金されている?
- 発注したものは何?
- 発注されたものは納品された?
- 発注先への振り込みは済んでいる?
そして、会計事務所(監査法人)には、board で管理している情報を、そのまま共有しております。月次処理が非常にスムーズです。
ちなみに、board における案件登録・変更の通知を、チャットツールSlackに流すようにしています。このおかげで、わざわざ board の web 画面を見にいくまでもなく、なんとなくの状況変化をメンバ全員が把握できる状態になります。
3.2 送金
常に使う銀行は、住信 SBI ネット銀行(ネット専業銀行)です。メガバンクの口座もありますが、余程のことがない限りは、住信 SBI ネット銀行になります。手数料が安い、すべてオンラインで処理と言うのが良いです。
住信 SBI ネット銀行は、当社のトランザクションを常に見ているので、(伝統的な統計処理なのか AI なのか不明ですが) 毎月の融資枠上限をメールで可愛く案内してくれます。もし裏側も人が介在してないとすると、非常に素敵です。ある意味、融資枠上限の少なさが、励みになります!
国内の送金処理は、住信 SBI ネット銀行が一択ですが、海外となるとそう言うわけにはいきません。金額によりますが、少額の場合は、Wise(旧 TransferWise)以外に選択肢はないはずです。
超絶に便利です。先日、欧州の会社に振り込みを行いましたが、同日に先方口座に着金しました。これには驚きました。今は、送金の上限額が設けられておりますが、これも時間の問題かもしれません。イノベーションとは、目に見えないところで少しずつ静かに攻め入ってきて、気がついた時には「時すでに遅し」だと思います。
伝統的な国内金融機関、そしてそれを支える IT ベンダー、頑張らないとです!
4. その他
4.1 EC サイト
当社が運営する EC サイト”Dear IoT by ELSPINA“は、Shopifyで、2 時間くらいで作りました。クレジットカード決済機能を使うにあたって、特段の審査はありません。WordPressでブログを運営したことがある方なら、誰でも一人で作れると思います。
決済にPayPalを入れていますが、この場合は、PayPal の法人口座が必要です。PayPal 法人口座の開設には、セキュリティの関係上、多少時間を要します。
4.2 ゆるゆる案件管理
ゆる〜い案件管理は、調査・試行を重ねて、今はJottoを使っています。まだまだ、使い方含めて、試行錯誤中です。
4.3 開発・ソース管理
いろいろ派閥はあると思いますが、当社は現時点Gitlabです。
という感じで、これが正解ということはなく、都度都度見直しながら、無駄に無駄なことがないように心がけていきたいと思っております。
なお、
(でも、こっそり、ラベルプリンタはある)
以上です。