CES 2025レポート:進化するモビリティとAI技術の最前線
毎年新年恒例の世界最大規模のテクノロジー見本市 CESが、今年も1月7日から10日までの4日間にわたりネバダ州ラスベガスで開催されました。
今年は当社のビジネスパートナーが現地参加してきてくれましたので、その貴重な体験レポートを共有させていただきたいと思います。
現地レポート
主に参加したのはCESにて敷地面積最大の会場であるLVCC(Las Vegas Convention Center)キャンパスです。その規模は東京ドーム7つ分という壮大なものです。
朝一番でWest Hallに到着しましたが、既に多くの来場者で活気に溢れていました。
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LVCCキャンパスは、West、North、Central、Southの4つのホールで構成されており、特にWest HallではMobility Systemsに関する展示が充実していました。今年は特にLidarやRadarといったPerception(認識)関連の展示が目立ち、昨年まで多く見られた自動運転車の経路計画や制御技術に関する展示は減少傾向にありました。
個人的に注目したのは、ADAS(先進運転支援システム)向けのAI開発を手掛けるhelm.aiが発表した教師なし学習技術や、マルチモーダルなセンサ情報を活用して運転手の飲酒度合いを推定する技術を発表したVinAI、さらに複数のセンサデータに効率的にラベル付けを行うソフトウェアを開発するSegments.aiです。
自動運転のソフトウェアに関して展示した数少ない企業であるhelm.aiは、Hondaと2019年より連携しており、CES 2025で発表されたHonda 0 Seriesにも搭載される予定とのことです。
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運転手の飲酒状態をマルチモーダルなセンサ情報を利用して推定する技術を発表したベトナムのAI企業であるVinAIの展示も注目を集めていました。
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また、Komatsu、Kubota、Caterpillarといった建設・農業機械の大手メーカーは、機械本体だけでなく発電機等を含むエコシステム全体の構築を目指している印象を受けました。このような主力製品を超えたエコシステムの展開は、Central Hallに出展していたTCLやパナソニックなどの大手家電メーカーにも共通して見られ、大企業ならではの総合力が活かされていると感じました。
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KubotaのKATRは2025 Best of Innovation in Industrial Equipment and Machineryを受賞しました。
North HallにはAIやIoT関連の企業が多数出展していました。予想通り中国企業の存在感は大きかったものの、特に印象的だったのは韓国企業の躍進です。大規模言語モデルの研究開発を行うMaum.aiや、AI翻訳ソフトウェアを手掛けるPERSO.aiの技術力には目を見張るものがありました。これらの企業はいずれも創立から数年~10年程度と比較的新しいにもかかわらず、このスピード感で成果を上げていることに感銘を受け、私たちも一層の努力が必要だと感じました。
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2日間の短い参加でしたが、世界各国のテック企業の最新トレンドを知り、当社のR&Dにおいても参考になる技術情報を収集できるなど、非常に実り多い時間となりました。
会場が広大で相当な距離を歩くため、次回参加される方には必携アイテムとしてサロンパスをお勧めします。また、Venetian Campus近くの「Noodle Asia」は、どのメニューも本格的な味わいで絶品です。ラスベガスを訪れる際にはぜひ立ち寄ってみてください。
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