SDI-12-LB/LSとTEROS22で実現する高度な土壌センシング
SDI-12-LB/LS と TEROS22 で実現する高度な土壌センシング
まずは何を言っているのかさっぱりわからないかもしれないので、SDI-12 インタフェースを持つ LoRaWAN デバイス SDI-12-LBと水ポテンシャルセンサー TEROS22を繋いだ状態の外観をご覧ください。
1. SDI-12-LB/LS の機能概要・特徴
Dragino 社の SDI-12-LB/LSは、SDI-12 インターフェースを持つセンサーと LoRaWAN ネットワークを接続するためのコンバーターです。SDI-12 規格のセンサーを既存の LoRaWAN インフラに簡単に統合でき、従来の有線接続から無線ネットワークへの移行を可能にします。これにより、農業や環境モニタリングの現場で、離れた場所のセンサーからも効率的にデータを収集することができます。
主な特徴:
- SDI-12 v1.3 規格に準拠し、SDI-12 センサーと接続可能
- LoRaWAN 1.0.3 プロトコルに対応し、クラス A デバイスとして動作
- 低消費電力設計(スリープモード時は約 5μA)
- Bluetooth LE を介したワイヤレス設定
- 動作温度範囲は-40°C〜+85°C
- 5V 300mA, 12V 100mA による電力供給
2. TEROS22 の製品概要・特徴
METER Group 社の TEROS22は、高精度な水ポテンシャルセンサーで、土壌の水ポテンシャルや温度の計測に特化しています。SDI-12 プロトコルを採用し、他の SDI-12 対応センサーと同様に、LoRaWAN 環境に統合することで、離れた場所でも容易にデータを監視できます。
主な特徴:
- 水ポテンシャル 0 ~-100000kPa(1.70 ~ 6.00pF)
- 温度 -40 ~ 60℃
- 長期間の安定した測定が可能でキャリブレーション不要
3. SDI-12-LB/LS と TEROS22 の接続と設定方法
3.1 物理的な接続
TEROS22 の SDI-12 ケーブルを SDI-12-LB の所定の PIN に接続します。
写真の上から順に、以下のような配線になります。
- オレンジ線:デジタル信号
- 茶色線:電力
- 剥き出し線:グランド
3.2 SDI-12-LB/LS の設定
Mac/Windows/Linux 端末と SDI-12-LB を USB-TTL で繋げ、以下のコマンドを使用して、TEROS22 からのデータを正しく取得できるようにします。
AT+COMMAND1=0C!,1,1,0
AT+DATACUT1=16,2,1~16
3.3 データフォーマット
先ほどの設定を行った場合、LoRaWAN の Uplink の Payload としては、19 バイトのデータが上がってきます。(下記はその例です)
0E 28 01 30 2D 31 34 33 34 38 2E 34 2B 32 39 2E 31 0D 0A
(不正確ですが、ざっくり言えば、)先頭 2 バイトは電池電圧値、3 バイト目は Payload バージョンで、通常 0x01。
4 バイト目以降が、TEROS22 からのデータです。TEROS22 のデータを ASCII コードで表現したものです。
※最後の 2 バイトは、お馴染みの CR と LF ですね
ASCII コードを文字列に変換すると、
0-14348.4+29.1
となります。一方、TEROS22 のデータ形式は、マニュアルで確認すると以下のようになっています。
a-<matricPotential>±<temperature>
※ここで、a は、センサーのアドレス値
データ形式と実際の出力を照らし合わせると、データの意味が一目瞭然かと思います。
まとめ
Dragino の SDI-12-LB/LS と METER Group の TEROS22 は、土壌水分データのリアルタイム収集を容易にし、LoRaWAN を活用することで広域でのモニタリングが可能です。SDI-12 センサーを活用したシステムは拡張性が高く、他のセンサーを簡単に追加することで、より包括的な環境モニタリングシステムを構築することができます。LoRaWAN と SDI-12 インターフェースの組み合わせにより、農業や環境管理の最適化を実現します。
参考リンク
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