ELmote®CLOUDのご紹介
先日のPRで少しだけご案内しておりますが、このたびIoT向けデータ基盤ELmote®CLOUDを発表しました。
ELmote®CLOUDは、IoTデータの保存・検索を基本機能として、保存したデータをダッシュボードで可視化する機能、また指定した条件に合致する場合にアラートを出す機能を提供しております。
LoRaWANであれば、The Things Stackなどのネットワークサーバに届いたデータをwebhookでELmote®CLOUDに飛ばして、適当に可視化やアラートに利用する、という利用形態が基本になると考えています。
The Things StackのCommunity Editionで、webhookの接続先として既に用意されているアプリケーションだけでもかなりの数(下画像、これでも一部)になる中で、あえて横並びになるようなELmote®CLOUDを開発したのは、一つにはデータの長期保存、検索を目的とした安価なサービスがなかったから、ということになります。
AWSをはじめとするクラウドサービスはストレージに対して課金するモデルが標準的なので、その上に構築するサービスも「データを保存するならお金払ってね」となるのは当然のことではあります。
ただ、「シンプルにデータを保存しておきたい」という需要がかなり存在することは経験的に判明していたので、極力余計な機能は付与せずサービス化しておけば、使ってみようという方がいるだろう、特に弊社からデバイスを購入された方にご案内すれば、とりあえず使ってみようとなるのではないか、ということで開発してみました。
PRの通り、デバイスをお買い求めいただいたお客様は(当面)無償でご利用いただくことができます。まぁ、これもスモールビジネスの一環だと思っていますので、まずはお気軽に利用いただいて、フィードバックをいただきながらブラッシュアップしていこうという目論見です。
ここから、本題
弊社にはデザイナーは(今のところ)いません。グループ会社にデザイナーが在籍しているので、時々お力添えいただくのですが、基本的にこれまで公開してきたアプリ、サービスは社内でエンジニア(というか、だいたい私)が適当にUIを決めています。このtechblogや、過日大幅に更新した公式サイトのように、元となるデザイン(hugoのテーマ)がある場合もありますが、今回のELmote®CLOUDはゼロから作っています。
明らかにそれが原因だと思いますが、弊社サービスのUIは良く言えばシンプル、悪く言えば手抜きな見た目になっています。ただこれは、見た目に手間をかけていないというだけでなく、無駄な情報(言葉、絵、フォントetc)を含めないことを良しとするという思想、あるいは思考の癖があるように感じています。情報を削ぎ落とすことが快感になっているのかもしれません。
デザインに限らず、他の仕事でも思考の癖は現れるもので、何をやるにしても「それ、意味あるのか?」「その仕事、無駄では?」という目線から入ってしまうのですが…こういう人間は商売に向いていないのではなかろうか、というのが今日のテーマです(もしかしたらテーマとして考えるまでもなく、既に自明なことなのかも。誰か有識者がいたら教えてください)。
たとえ話をします。車を買いにディーラーに来たお客さんが「車が欲しい。用途は街乗りが大半で、近場で買い物するくらいだけど、パワーのあるスポーツカーが欲しい」と言ったとします。このとき素直にスポーツカーを提案するディーラーが普通で、「それなら、軽自動車の方がいいかもしれませんね」と返す店員でさえほとんど存在しないでしょう。
もし、このお客さんに対して「あなたに必要なのは車ではありません。買ったものを自力で運ぶ体力です。まず、筋トレとランニングから始めましょう」と主張するディーラーがいたら…お客さんは怒り出すというより、「いや、車が欲しいんですけど…」と困惑するのではないでしょうか。
この話は極端としても、仕事の中でこれに近いことをしていないだろうか、という反省があります。お客さんが車が欲しいと言っているなら、車を売ればよいという単純な論理が採用できていない。あなたには車なんて無駄です、それより体を鍛えなさいと言って、結果として商売の機会を逃してしまっている。
これは、「自分自身の判断力、頭脳に対する思い上がりがある」と表現するのが適切だろうと考えています。「その問題の当事者であるあなたより、私の方が問題を深く理解している」と言っているようなものですから。好意的に表現するなら「問題を自分ごととして考えている」とも言えそうですが。
しかし、この思い上がりを持っていないと、まだ問題の形になっていないような状態から仕事を進めていくことはできないよなぁ…とか、自分と同じ、あるいはさらに上からの目線で考えてくれる人間相手でないと、仕事を任せられないよなぁ…とか、弁明の余地はあると思いたい。「癖」だとわかっているなら、直せそうなものですが、直せないから「癖」なのでしょう、たぶん。
長くなりすぎました。結論は特にないですが、結局人には得手不得手があるのだから、適材適所の人材配置でカバーするのがbetterという以上の話にはならないのかな…というあたりで今日は終わりにします。